この記事は、救急現場で行われる活動のまとめ記事です。
必要に応じて、各詳細記事を参照してください。
救急車に乗り始めたばかりの新人救急隊員はもちろん、現役隊員の復習や新人教育で利用できるように、可能な限り救急現場に即して必要十分な情報で纏めました。
この記事を読むことで、
救急活動の全体の流れが理解でき、自信を持って現場で迅速な「観察+評価+処置」を行えるようになります。
救急活動の個別の活動については
↓記事から確認してください。
\詳細記事/
- 救急隊(救急救命士)を10年以上
- 現役で活動中|隊長・隊員・機関員経験
- エビデンス|以下参考資料
- 救急標準テキスト
- 救急救命士標準テキスト
- 必要に応じて各公式サイト参考
当サイトは、消防吏員(救急隊員など)向けに運営・執筆しています。
他の医療従事者(医師・看護師など)が病院内で行う行為と一部記述に差異(簡略化など)がある箇所がありますのでご了承ください。
※活動する環境(人数含む)・資格による行える処置・使用できる資機材等のため
それでは、本題に入ります。
共に学びましょう!
概要:救急活動の流れの全体像
救急活動の全体像は
- 状況評価
- 初期評価
- 全身観察+詳細観察
- バイタル測定
- 状況聴取
- 病院選定
- 病院交渉
- 搬送+継続観察
- 医師引継ぎ
- 引き揚げ
③ ~ ⑤は各隊員で分担し、同時進行推奨。
状況に応じて、優先する観察を判断する必要あり。
各々詳細に解説していきます。
STEP 0 救急活動の目的
まず初めに救急活動の目的を理解しておきましょう。
救急活動の目的は
- 救命
- 悪化の防止
- 苦痛の軽減
- 適切な医療機関へ迅速に搬送
傷病者の利益となる活動を心がけましょう。
STEP 1 状況評価&安全管理
状況評価では、現場の状況
- 2次災害の恐れはあるか
- 支援隊や関係機関の要請は必要か
- 傷病者の容態に関連する外的因子はあるか
は当然ですが、さらに
- 現場到着までに、障害となるものはないか
などを評価しつつ、安全管理もする必要があります。
救急出動指令~現場到着まで
救急指令がかかり
現場(災害点)と指令内容を確認します。
指令内容の確認
指令内容から、緊急度・重症度をある程度予測し
携行資器材を確認する。
機関員は、
時間帯を考慮した道路状況(渋滞・踏切・工事等)や狭隘等を加味し、
災害点までの最速経路を選定する。(←最短ではない。)
必要であれば、現場~(予測される)搬送先の経路及び搬送時間も整理する。
出場途上にPAC(プレアライバルコール)の実施
プレアライバルコール(PAC: pre arrival call)とは:直訳すると「到着前の電話」
現場到着前に、通報者や関係者に対し電話連絡することで、救急現場で収集が必要となる情報をあらかじめ聴取する。
また必要であれば口頭指導を実施します。
▼ プレアライバルコール詳細記事 ▼
現場到着後
救急現場の状況を把握します。
関係者から情報収集
通報者や家族など関係者から、必要な情報を集めて
以下内容を評価します。
- 二次災害の危険性
- 受傷状況
- 傷病者の人数
- 増隊の必要性
- 活動の障害となる物・人
- 傷病者の搬送経路
▼ 状況評価詳細記事 ▼
STEP 2 初期評価
傷病者の緊急度・重症度を素早く判断するため
初期評価を実施します。
初期評価の項目は意識・呼吸・循環です。(顔面蒼白、大出血、嘔吐含む)
▼ 初期評価詳細記事 ▼
STEP 3 全身観察+詳細(局所)観察
傷病者の状態を把握するため、全身観察を実施します。
全身観察では頭部~つま先まで、解剖生理の知識を基に観察・評価します。
▼ 全身観察詳細記事 ▼
疑われる疾患に応じて、より詳細に傷病者の状態を把握するため、
詳細(局所)観察を実施します。
▼ 詳細(局所)観察詳細記事 ▼
STEP 4 バイタル測定
バイタルサインを観察し評価します。
バイタルサインとは
生命(vital)の兆候(signs)と訳され、人間の生命活動における重要な指標。
呼吸・脈拍・血圧・体温を基本とするが、救急現場では、「意識」を加えて5項目をバイタルサインとする場合が多い。
バイタルサインに特に異常がある場合は、緊急度・重症度が高い可能性があるため確実に測定する必要があります。
▼ バイタル測定まとめ記事 ▼
▼ バイタル測定個別記事 ▼
STEP 5 状況聴取
本人や関係者に、病態の類推に必要な情報や病院選定に有用な情報を聴取します。
状況聴取での主な聴取内容は、
- 現病歴
- 既往歴
- 薬
- アレルギー
- 掛かりつけ
▼ 状況聴取詳細記事 ▼
STEP 6 病院選定
傷病者の症状に適応した救急処置を速やかに施し得る、もっとも近い医療機関を選定する。
傷病者の観察結果に基づき、傷病の種類や重症度に応じて、掛かり付け・初期・二次・三次救急医療機関また診療科目の選定を考慮する。
▼ 病院選定詳細記事 ▼
▼ 緊急度・重症度詳細記事 ▼
STEP 7 病院交渉
搬送先医療機関に受け入れ可能かを交渉する必要があります。
病院交渉では、病態(観察結果)や聴取内容などを簡潔に伝えます。
▼ 病院交渉まとめ記事 ▼
▼ 病院交渉個別記事 ▼
>>【救急】病院交渉の方法:心肺停止(CPA)
>>【救急】病院交渉の方法:ショック
>>【救急】病院交渉の方法:外傷(JPTEC)
>>【救急】病院交渉の方法:急病(内因性)
STEP 8 搬送+継続観察
搬送先医療機関が決まったら、機関員は傷病者の病態に適した経路を選定し、安全かつ迅速に病院へ救急車を運行します。
▼ 車両運行記事 ▼
隊員は傷病者の容態に変化がないか継続観察を実施します。
▼ 継続観察詳細記事 ▼
STEP 9 医師引継ぎ
病院到着後、担当医師に引継ぎを行います。
搬送途上の容態(増悪・改善)変化や、新たに聴取できた有益な情報は必ず伝える。
▼ 医師引継ぎ詳細記事 ▼
STEP 10 引き揚げ
次の出場準備を整え、所属に引き揚げる。
▼ 引き揚げ詳細記事 ▼
まとめ
当記事では、救急活動の流れを確認しました。
- 状況評価
- 初期評価
- 全身観察+詳細観察
- バイタル測定
- 状況聴取
- 病院選定
- 病院交渉
- 搬送+継続観察
- 医師引継ぎ
- 引き揚げ
以上
それでは明日も頑張りましょう!全ては傷病者のために(^^)/
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最後まで、読んで頂きありがとうございました。
参考資料:救急救命士標準テキスト、救急標準テキスト
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