この記事では、救急現場で行われる活動の1つ
「異物除去」について解説しています。
救急車に乗り始めたばかりの新人救急隊員はもちろん、現役隊員の復習や新人教育で利用できるように、可能な限り救急現場に即して必要十分な情報で纏めました。
また異物除去は、救急資格者(救急標準課程や救急救命士)が行える方法の他、一般市民やPA連携で先着した消防隊員が行える方法もあります。
この記事を読むことで、
異物除去の方法が理解でき、自信を持って現場で迅速な「異物除去」を行えるようになります。
救急活動の全体の流れ、他の活動については
↓記事から確認してください。
\まとめ記事/
\詳細記事/
- 救急隊(救急救命士)を10年以上
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- エビデンス|以下参考資料
- 救急標準テキスト
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- 必要に応じて各公式サイト参考
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他の医療従事者(医師・看護師など)が病院内で行う行為と一部記述に差異(簡略化など)がある箇所がありますのでご了承ください。
※活動する環境(人数含む)・資格による行える処置・使用できる資機材等のため
1.窒息の発見
2.意識の確認
3.異物除去(窒息解除)
【意識がある場合】
- 咳を促す
- 腹部突き上げ法
- 背部叩打法
【意識がない場合】
気道(空気の通り道)に異物が詰まって(気道閉塞)、息ができず新鮮な空気を取り込むことができない状態
気道異物による窒息が強く疑われる場合における異物を取り除く方法
それでは、本題に入ります。
共に学びましょう!
気道異物除去の重要性
人間は生命の維持のために酸素が必要です。
これは、生命維持に必要なエネルギー(ATP)を産生するのに酸素が必要であるためです。
気道が塞がってしまうと、
酸素を体に取り込めなくなるため、様々な臓器に影響を及ぼします。
例えば、
脳に酸素が供給されないと、
- 数秒以内 ⇒ 意識消失
- 3~5分以上 ⇒ 脳障害が起こる。
(参考元:日本救急医学会)
と言われています。
そのため、酸素を体に取り込むために気道異物を早期に除去することが重要です。
それでは実際に窒息解除の流れを確認していきます!!
STEP0 窒息の予防
まず初めに、気道異物の除去ではないですが、
一番は窒息しないことが重要なため
STEP0として窒息の予防を入れました。
高齢者や乳児は、嚥下機能や咽頭反射・咳反射が低下している、あるいは未熟なため誤嚥により窒息を引き起こします。
そのため、食物は可能な限り細かくして食べる(させる)ようにしましょう。
STEP1 窒息の発見
窒息が起こってしまった場合、気道異物除去で一番大切なことは、窒息に気付くことです。
食事中、急に苦しがったり、意識を失った場合は、気道閉塞(窒息)を疑いましょう。
また窒息のサインである、
チョークサインを見逃さないことも重要です。
急に何かが詰まり苦しくなった時に自分の喉付近を手で押さえるような仕草
※気道閉塞を起こした場合、大抵の人がする仕草です
STEP2 意識(反応)の確認
声をかけて頷きなどが出来るか確認します。
例)どうしましたか? 呼吸は出来ますか?
STEP3 咳を促す
意識(反応)がある場合、自身で咳ができるか確認し、咳を促します。
STEP4 腹部突き上げ法(ハイムリック法)
腹部突き上げ法(ハイムリック法)は、
腹部に圧力が掛かるため以下の注意点があることに留意する。
- 妊婦や1歳未満の乳児は禁忌(実施×)
- 肥満の傷病者には効果が薄い
手順① 傷病者の後ろに立つ
今から行う処置(お腹を強く圧迫する)を伝え
傷病者の後ろに回り込みます
手順② 臍の位置を確認
腕を後ろから抱えるようにまわし
傷病者の臍(へそ)の位置を確認する
手順③ 圧迫部位の確認
片手で握りこぶしを作り
臍の上方かつ心窩部(みぞおち)より十分下方に親指側を当てる
手順④ 腹部を突き上げる
他方の手でこぶしを握り
すばやく手前上方に向かって圧迫するように押し上げる
STEP5 背部叩打法(はいぶこうだほう)
手順① 傷病者の後ろに立つ
今から行う処置(背中を強く叩く)を伝え
傷病者の後ろに回り込みます。
手順② 背部を力強く何度もたたく
手の基部(手の付け根に近い部分)で、
肩甲骨の間(背中の真ん中あたり)を何度か力強く連続して叩きます
STEP6 喉頭鏡及びマギール鉗子を用いた異物除去 or 心肺蘇生法
STEP6は、救急資格の有無で対応が異なります。
それぞれ自身の状況に応じて対応しましょう。
救急資格者の場合
喉頭鏡及びマギール鉗子を用いた異物除去を実施する
▼救急資格者の異物除去▼
>>喉頭鏡及びマギール鉗子を用いた異物除去
救急資格がない場合
周囲(救急隊や上司)に状況を伝え、
胸骨圧迫を実施する or 救急資格者に対応を代わる
一般市民の場合
心肺停止に対する心肺蘇生法を実施する
CPR(心肺蘇生法)別記事作成予定
今回のまとめ
窒息解除(気道異物除去)方法を確認しました。
窒息を目撃した際、
安全・確実・迅速に処置できるように、定期的に見直すのはもちろんですが
シミュレーション等して動けるようにしておきましょう。
以上
それでは明日も頑張りましょう!全ては傷病者のために(^^)/
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参考資料:救急標準テキスト
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